お仏壇は「自分の命のルーツを教えてくれる場所」
お仏壇は家庭に安置する小さな寺院とも言われます。土を盛り上げた「土壇」から始まり、石を積み重ねた「石壇」、木で作られた「木壇」と形を変えて、現在は木の壇が残っています。その起源は魂棚(たまだな)だと言われています。魂棚とは、ご家族や祖父祖母、さらにはもっと古いご先祖様の魂を祀る場所という意味です。それは自分の命のルーツを教えてくれる場所になります。そして、小さな寺院と言われるのはお仏壇の中心に仏像を安置するからです。お寺に行くとご本尊として仏像や掛軸が安置されていますが、仏壇は寺院を小型化したもので、真理に触れる場所としての役割を果たします。お仏壇の中心には須弥壇(しゅみだん)と呼ばれる場所に各宗派のご本尊をお祀りします。
また、お仏壇には亡き人やご先祖様そのものである位牌をお祀りいたします。(浄土真宗ではお位牌はお祀りしません)そして、花を生け、火を灯し、香を焚き、ご飯やお水、お茶、お菓子、果物などをお仏壇の中にお供えします。それはご本尊や亡き人、そしてご先祖様と共に生活することを意味しており、このことを仏教では「供養する」と言います。お仏壇は日々の悩みや喜びを心の中で語りかけ、亡き人との素敵な思い出に想いを馳せることの出来るかけがえのない場所になります。
昔から、人間は二度の死を迎えると言われています。一度目は病気などで命を無くしてこの世の中からいなくなること。二度目は残された人々の記憶から無くなってしまうこと。これが人間の二度目の死と言われています。すなわち、亡き人のことを心の中で思い出したり、みんなで思い出話をしたりするということは、亡き人がいつまでも心の中で生き続けることになります。このように亡き人を偲び、ご先祖様にと共に生活をし、生かされていることに感謝する大切な場所がお仏壇になります。近年、「お仏壇を持たない」という人が少しずつ増えていますが、大切な心のよりどころになるお仏壇を「持たない」という選択をするまえに、慎重に考えてほしいと思います。
~お仏壇の種類~
お仏壇種類は大きく分けて、4つあります。伝統的な形式で造られた【金仏壇】【唐木仏壇】、現代的な洋間に合うように造られた【家具調仏壇(モダン仏壇)】、神道の方がお祀りする【神徒壇(祖霊舎)】があります。お仏壇を購入する際は、ご自分の希望や家の事情を踏まえた上で、どの形のお仏壇を選べばいいかを決める必要があります。
1.金仏壇<きんぶつだん>
金仏壇は、白木や紅松を素地に漆やカシューなどで仕上げ、金箔や金粉で装飾を施した仏壇のこと。「塗り仏壇」とも呼ばれています。宗派によって形状・内部のつくりが大きく異なっています。簡単な見分け方としては、内部の柱が金色のお仏壇は浄土真宗本願寺派(お西)や真宗興正寺派、内部の柱が黒色のお仏壇は真宗大谷派(お東)で使われます。真宗髙田派は、様式の違いが顕著で、宮殿や欄間のかたちに違いがみられます。これらは、各宗派の本山寺院の本堂(内陣)を模しているという理由によります。他には、蒔絵をふんだんに用いた金沢仏壇や、台の部分が高く、「まくり戸」がある名古屋仏壇など、各産地によっても、それぞれに特徴が見られます。 しかし、浄土真宗以外の宗派で金仏壇を置いてはいけないということもありません。
2.唐木仏壇<からきぶつだん>
唐木仏壇とは、黒檀や紫檀などの輸入銘木や、ケヤキや桑などの国産の銘木を使い、木目を生かして造られた仏壇のことをいいます。唐木仏壇は、宗派による形の違いはありません。家具調仏壇に近い形状のものなど、伝統と現代をミックスさせた製品も多く造られています。
3.家具調仏壇<かぐちょうぶつだん>
家具調仏壇とは、日本の都市型住居に合うようにデザインされた、家具のようにインテリア性を重視したすっきりとしたデザインのお仏壇のことです。モダン仏壇とも言われます。金仏壇や唐木仏壇の特徴である欄間彫刻や宮殿、障子も用いられていないものが多くあります。 また、ガラス扉や椅子付きのもの、天井に照明が付き、LEDを使用したものもあります。様々なデザインがありますので、家の間取りや環境、故人の好みやイメージで、自由に選ばれるとよいと思います。
4.神徒壇(しんとだん)
神徒壇は、祖先の魂の依り代である霊璽(御霊代)と神具を納めている祭壇で、ほとんどが桧や栓、ビバ、欅などの素材をつかって、白木造りで作られています。祖霊舎(それいしゃ)とも言われます。霊璽(御霊代)を神職様にお祓いしてもらう「五十日祭」までに準備を済ませる事が多いです。安置に関しては南向きか東向き、東南向き、神棚よりやや低い位置とすることが一般的とされていますが、詳しくは神社の宮司様にお伺いする方が良いでしょう。
世界でたった一つのお仏壇
大師堂佛檀店では、サイズや材質、デザインなどをお客様と相談しながらお仏壇を作り上げることも可能で、このような仏壇を特注仏壇(別注仏壇)と呼んでいます。特注仏壇は「世界でたった一つのお仏壇」となり、想いが残る価値の高いものとなります。費用は既製品とは異なり、若干かかりますが、それ以上に、お客様の様々な好みに応じることができることにあり、ご満足いただいております。例えば大切な故人の方が好きだったデザインや素材を取り入れることも可能ですし、お客様自身の色の好みや使い勝手を考えて引き出しを付けたり、高さを調節する方も多くいらっしゃいます。また、お仏壇をご安置する広さに応じて、ぴったりと納まるお仏壇を作れることも特注仏壇の良さです。金仏壇、唐木仏壇、家具調仏壇、神徒壇、どの種類でもお作りできます。お気軽にお声掛け下さい。
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