「お墓が遠くてなかなかお参りができない」そんな悩みを抱えた方は多いはず。また、「親が建てたお墓を守り続けるのは負担が大きい」「高齢のためお墓参りに行くのが大変」など、さまざまな問題を抱えている方もいらっしゃるでしょう。また、若者を中心に「墓離れ」が増加しており、これまであった「お墓を守る」という考え方は薄まりつつあります。
今回の記事では、「墓離れ」の背景や、お墓が遠くて困っている方が検討すべき「新しい供養の方法」についてご紹介します。
目次
「〇〇離れ」が起きる背景
車離れ、お酒離れなど、さまざまな場面で使われている「〇〇離れ」という言葉は、今まで当たり前だった価値観が、現代のライフスタイルや考え方に合わなくなり必要とされなくなることを指しています。
原因として考えられるのは、所得減少や生活スタイルの変化、働き方改革に伴う時間の使い方の変化などが挙げられます。これまで当たり前に受け継がれてきた価値観に対して疑問を持つ世代が出てきたことで価値観が変化し、「常識」が昔と今では異なってきているのです。
「墓離れ」が起きる原因

では、墓離れはどうして起きるのでしょうか。ここでは墓離れが起きる原因について解説します。
お墓の価値観が変化した
昔は「家」の存在が重要視され、お墓に関しても同じく代々子孫が引き継いでいくものだと教えられてきました。しかし、核家族が増えた現代では多様な考え方が広まるにつれ、子どもを持たない家庭やそもそも結婚にこだわらない方も増えました。「家」の在り方が昔と今では大きく変わったのです。
こうした流れのなかで次第にお墓の存在意義は薄れていき、「墓離れ」が加速しているのだと考えられます。
お墓のコスパを考えると買えない
いまはコストパフォーマンス(コスパ)やタイムパフォーマンス(タイパ)が重視される時代です。これらは合理性や効率性を重視する価値観で、主に働き方や消費行動に大きな影響を与えます。
家の権威を象徴するような立派なお墓を建てる場合はもちろんお墓の値段は高額になりますが、たとえ安価なお墓を選んだとしても一般的に100万円以上はかかるため、これについて「コスパが悪い」と捉える世代が増えています。また、「わざわざ遠方までお墓参りに行くのはタイパが悪い」と考え、別の方法での供養を考える方が増えています。
お墓を引き継ぐ人が居ない
これまではお墓の継承者を「墓守」とし、その役割を代々引き継ぐことでお墓が守られてきました。しかし、子どもがいない家庭が増加し少子化が進む日本では、お墓の継承者がおらずお墓の維持が難しくなる家が増えています。
また、子どもがいる家庭でも、「子どもに負担をかけたくない」との思いからお墓を手放す決断をする方がたくさんいます。こうした理由から、これまでの「お墓」の概念が継続不可能な状況になっているのです。
お墓管理の負担が大きい
お墓は、建てた後も管理しなければいけません。屋外のお墓は特に汚れや傷がつきやすく、その都度、掃除やメンテナンスが必要となります。
また、お墓周りに生える雑草を放っておくと、他の家のお墓に迷惑がかかることもあるため、雑草の処理も欠かせません。遠方の場所にお墓がある場合は特に大変です。掃除はお墓まで足を運ばなければならず、時には一日がかかりになることもあるでしょう。また、一般的にお墓は年に1回、「管理費」を支払わなければいけません。
お墓を管理・維持することの大変さや、費用が毎年かかることを知っているからこそ、「自分の子どもには負担をかけたくない」とお墓を手放す決断をする方が増えています。
お墓を放置するとどうなるのか

では、お墓を放置するとどのようなことが起きるのでしょうか。ここでは長期間、お墓参りや掃除ができていない場合に起きる問題についてご紹介します。
発生する可能性があるトラブルは以下の通りです。
・墓石に汚れが溜まり、コケが生える
・墓石の劣化が進む
・雑草や落ち葉で見た目が悪くなる
・虫や動物が住み着く
また、あまりに放置していると霊園の管理者から警告されたり撤去対象になったりすることもあります。最悪の場合は「無縁墓」として一斉に整理されてしまう可能性もあるので注意が必要です。
お墓の維持が難しい場合の選択肢
お墓の維持が難しい場合は、下記のような供養方法も参考にしてみてください。
永代供養墓

永代供養墓とは、管理や供養を霊園もしくは寺院に任せられるお墓のことを指します。永代供養墓で必要な費用は、契約時に支払う永代供養料だけで年間管理費等も必要ありません。また、お墓の継承者がいなくなった場合でも、家族の代わりにお寺がお墓を管理してくれるところが大きな特長です。
納骨堂

納骨堂とは、遺骨を納める収蔵スペースを備えた屋内施設のことを指します。納骨堂は、一人もしくは夫婦、家族など家族形態によって利用プランが選べるため、費用相場は約10万~150万円と幅があるのが特長です。
なお、納骨堂の利用期間は、3年・13年・33年など、プランに応じて選ぶことができます。利用期間の満了後は遺骨を合祀墓へ移し、永代供養を行ってもらえるため、無縁仏になる心配はありません。少子高齢化や核家族が増加している現代において、納骨堂はライフスタイルに適応した供養方法といえるでしょう。
樹木葬

樹木葬とは、墓石の代わりに樹木や草花をシンボルにしたお墓のことを指します。墓石が不要なため、費用は比較的安価です。
なお、樹木葬のほとんどは永代供養であるため、お墓の継承者がいない方や子どもに負担をかけたくないと考える方に人気の供養方法です。
手元供養

手元供養とは、遺骨や遺灰を自宅で保管し供養する方法のことで、2000年代に入ってから徐々に広まってきた供養方法です。手元供養にはさまざまな方法がありますが、主な方法は骨壺に保管する方法や、遺骨や遺灰、遺髪などをアクセサリーに納める方法、遺骨を粉砕し金属と混ぜてプレート状にした遺骨プレートの3種類です。
墓じまいして改葬することも検討してみよう

墓じまいとは、今あるお墓を解体して整理し、更地に戻して管理者に返還することを指し、改葬とは、お墓から遺骨を取り出して別の墓地もしくは納骨堂等に移動させることを指します。お墓の管理が難しくなった場合は、そのまま放置するのではなくきちんと墓じまいをしてから別のかたちで供養する方法を探してみましょう。







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