お彼岸とは、春分の日・秋分の日を中心に毎年2度訪れる仏教行事です。お彼岸を迎える前にはさまざまな準備が必要ですが、実際にどういった準備をしなければいけないのか、また仏壇飾りはどのようにしなければいけないのか疑問をお持ちの方もいるかもしれません。
今回の記事では、お彼岸の基本知識や事前準備、お彼岸のお供え物、お彼岸期間中にやることなどをご紹介します。
お彼岸の基本知識について
ここではまず、お彼岸の時期や意味などの基本知識について解説します。
お彼岸の時期はいつ?
春のお彼岸は「春分の日」、秋のお彼岸は「秋分の日」を中心とした前後3日間の合計7日間の期間のことを指し、例年、春分の日は3月20日前後、秋分の日は9月23日前後とされることが多いです。
これらの日程を定めるのは国立天文台(NAOJ)という機関で、地球の運動方程式を計算することで決定され毎年2月に発表が行われています。
お彼岸の語源や意味について
「お彼岸」の語源はサンスクリット語の「paramita(パーラミタ)」で、日本では「波羅蜜多(はらみた)」と表記されます。これの訳は、「至彼岸(とうひがん)」、すなわち「彼岸に到る」を意味します。
日本の仏教では、「此岸(しがん)」と「彼岸(ひがん)」という概念があり、この間に流れている川のことを「三途の川」と呼んでいます。
・此岸(しがん):私たちが今生きている迷いや欲、煩悩に満ちた世界
・彼岸(ひがん):仏さまが住む悟りの世界(=浄土)
お彼岸は、此岸から彼岸へ到ることを意味しています。
お彼岸を迎える前に仏壇・仏具を掃除しよう

お彼岸を迎える前の事前準備として重要なことは掃除です。日頃の感謝を込めて、仏壇や仏具を整理したり掃除したりします。普段はできていないような細かい部分もこの機会にきれいにしましょう。
もし仏壇や仏具が傷んでしまっている場合は、ぜひ弊社にご相談ください。毎週、土曜日には「お仏壇無料相談会」を行っています。詳しくはこちらをご覧ください。
仏壇・仏具の掃除方法
仏壇の掃除は、以下の順に行います。
1. 仏具を仏壇から取り出す
2. 仏壇内側と外側のほこりを毛払いで払う
3. 仏壇を乾いた柔らかい布で乾拭きする
4. 仏具も乾いた柔らかい布で乾拭きする
5. 仏具を元の位置に戻す
もし仏具の飾り方が不安な方は、掃除前に仏壇の写真を撮っておくと安心です。また、仏具の掃除についても仏壇同様、基本的には乾拭きで行いますが、材質によっては洗浄液や研磨剤が使えるものもあります。ただし、長期間にわたって沈着した汚れについては、家庭での掃除だけできれいにするのが難しいこともあります。その場合はプロのクリーニングサービスを利用するのがおすすめです。
お彼岸では仏壇飾りは行わない
「お彼岸でも、お盆と同じように仏壇飾りが必要?」と考える方がいるかもしれませんが、お彼岸専用のお飾りはないため仏壇飾りは行わないのが基本です。お彼岸は仏壇にお供え物をするだけで問題ありません。
ただし、各宗派(浄土真宗と日蓮宗を除く)では、「十三仏(じゅうさんぶつ)」と呼ばれる掛軸を仏壇周りに飾るケースがあります。十三仏は、故人を三十三回忌まで見守ってくださる13人の仏さまを描いた掛軸のことです。これはお彼岸やお盆、法事などの特別な場で飾ります。
お彼岸のお供え物の定番とは

仏教では「五供(ごくう)」の教えに基づいて、「香・花・灯明・浄水・飲食」の5つをお供えすることが大切とされています。とくに、お彼岸はご先祖さまへの日頃の感謝を込めて、普段よりも盛大なお供えをするのが一般的です。ここでは、一般的なお彼岸のお供え物をご紹介します。
ぼたもち・おはぎ
牡丹(ぼたん)の花が咲く春のお彼岸には「ぼたもち」、萩(はぎ)の花が咲く秋のお彼岸には「おはぎ」をお供えします。これは、「小豆の赤色が邪気を払い、災いを避ける力」があるという昔の考えに由来します。また、これらは貴重な砂糖を使ったお菓子であることから、ご先祖さまへの感謝を伝えるために準備していたと考えられています。
お彼岸団子
お彼岸には、「故人が極楽浄土に向かう途中で食べられるように」という意味を込めて「お彼岸団子」と呼ばれるお団子をお供えする地域もあります。彼岸入りに供えるお彼岸団子は「入り団子」、最終日に供えるお彼岸団子は「明け団子」と呼ばれています。
お彼岸団子は団子粉や上新粉を水で溶かし丸めてつくったシンプルなもので、複数個のお団子を積み上げてお供えをします。地域によってその形や積み方に違いがあるため、不安な場合は親族に確認しておきましょう。
季節の果物
季節の果物は普段からお供えしているご家庭も多いと思います。お彼岸でお供えするのに適している果物は、リンゴやオレンジ、メロンなどの日持ちがよいものを選びましょう。これらは長時間常温で保存していても傷みにくいため、お下がりとして食べるときに安心です。
お供えする際は、高杯(たかつき)や盛器(もりき)などお供え用の器を使用しましょう。これらの器は足が高くなっているため、ご先祖さまへの敬意を表すことができます。
故人が生前、好んで食べていた物
お彼岸では故人が生前好きだった食べ物や飲み物をお供えするのが通例ですが、仏教の教えでは殺生を連想させる肉・魚などやお酒は避けるため、それらを考慮して供えるのが基本です。
しかし近年では、お寿司やお酒などの形を模したろうそくが販売されているため、それを実物の代わりにお供えする方も増えています。
弊社でもビールや日本酒などを模した「好物キャンドル(税込616円~)」を販売しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
精進料理
ご先祖さまに感謝する意味を込めて用意するのが精進料理です。精進料理は、肉・魚・辛味や臭みのある野菜を避け、野菜・穀類・豆類・海藻・果実などを使用して、一汁三菜(もしくは一汁五菜)の形式で、御料具膳(おりょうぐぜん)という専用のお膳を使ってお供えします。
これだけを見ると敷居が高いように感じるかもしれませんが、きんぴらごぼう・がんもどきの煮物などの一般的な家庭料理を盛り付けても問題ありません。また、近年では水を加えて電子レンジで温めるだけのフリーズドライタイプの精進料理セットも売られているので、そちらを活用するのもおすすめです。
落雁(らくがん)
落雁とは、でんぷんを含む穀粉(米や大豆など)に砂糖や水飴を混ぜて着色し、型に押し固めて乾燥させた砂糖菓子です。
落雁は水分量が10%以下の干菓子に該当するため、日持ちがよいことが特長です。仏事のお供え物としてだけではなく、茶道の茶菓子やお祝い事、季節のご挨拶、贈答品などの幅広い用途に使われています。
季節の花
花は普段からお供えするものですが、お彼岸の時期はいつもより盛大にお供えしましょう。もしお仏壇の花立が小さい場合は、新たに大きい花立を用意してお飾りします。お花は、トゲや毒があるもの、香りが強過ぎるものは避けて、季節のものや故人が生前好んでいた花をお供えしましょう。
お供えにおすすめの花は以下の通りです。
<通年>
菊・ユリ・カーネーション・トルコキキョウ・ラン
<春のお彼岸におすすめの花>
キンセンカ・スターチス・マーガレット・フリージア
<秋のお彼岸におすすめの花>
リンドウ・ケイトウ・ソリダコ
お彼岸期間中にやること

お彼岸の期間中にやることは4つあります。ここではそれぞれを詳しくご紹介します。
1.お墓参り(お墓掃除)
お彼岸にはお墓参りに行き、感謝を込めてお墓をきれいに掃除しましょう。お墓へのお供え物も仏壇と同様、「香・花・灯明・浄水・飲食」の五供が基本です。
近年多くの墓地では、お供えした食べ物を持ち帰るのがマナーとされています。お供えしたまま置いておくと、カラスなどの動物に荒らされる可能性があり、墓石が汚れたり近隣の方に迷惑をかけたりする可能性があるからです。
お彼岸のお墓参りのタイミングは?
お彼岸のお墓参りのタイミングについてルールはありませんが、供養を行うのにベストな日はお彼岸の中日とされています。
お彼岸は、お彼岸初日を「彼岸入り(ひがんいり)」、真ん中の日を「中日(ちゅうにち)」、最終日を「彼岸明け(ひがんあけ)」と呼び、太陽が真東から昇って真西に沈む中日にはあの世とこの世が最も近づくと考えられています。
2.仏壇へのお参り
お墓だけではなく、自宅の仏壇にも忘れずお参りを行いましょう。仏壇にお供えする際は、彼岸入りにお供えし、彼岸明けに下げるのが基本です。もし、日持ちしないお供え物の場合は、中日(秋分の日・春分の日)を目安にお供えしましょう。
3.他家へのお参りやお供え
地域によっては、お彼岸に他家を訪問し、お墓参りやお供えをする風習があります。その際は、お供え物となる手土産を持って行くのが基本です。
定番のお供え物
定番のお供え物は、お線香や日持ちの良い菓子折り、果物、香典(現金)です。香典の相場は、通常のお彼岸の場合は3千円~5千円程度、初彼岸の場合は5千円~1万円程度とされています。
4.お寺主催の法要(彼岸会)に参加する
お彼岸の時期になると「彼岸会(ひがんえ)」と呼ばれる法要を執り行うお寺もあります。この法要はお寺の敷地内で行われるのが基本ですが、地域の風習やお寺によっては、自宅に僧侶招いて個別に法要を行うケースがあります。
お布施の相場や渡し方は?
法要に参加する場合、僧侶へのお礼としてお布施をお渡しするのが基本です。一般的なお布施の相場は、お寺で行う合同法要(彼岸会)の場合は3千円~1万円程度、自宅での個別法要の場合は3万円~5万円程度+御車代(交通費)5千円~1万円程度とされています。







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