位牌は中国の儒教の神主・木主を起源とし、宋時代に中国仏教(禅宗)に取り入れられ、日本には鎌倉末から室町期に禅僧を通じてもたらされたとするのが通説です。十六世紀には庶民の間に広まり、江戸時代に入って広く普及しました。お位牌は故人・ご先祖様そのものです。亡き人を偲び、語りかけ、心が癒やされる。最近はお位牌には様々なデザインの製品があり、本位牌といわれる漆やカシューで黒く塗られ金粉や金箔で美しく飾られたお位牌や、黒檀や紫檀などの木目を生かしたデザインのお位牌があります。(浄土真宗では原則としてお位牌は用いません)ご葬儀に際しては白木のお位牌が祭壇に祀られますが、四十九日法要以降は白木のお位牌に代わって、本位牌をお祀りします。そして、お位牌には戒名・俗名・行年・ご命日などを金文字で書いたり、彫刻したりする方法があります。最近は彫刻する方が多くなっています。お位牌をお手入れするときに、拭いても文字が消えにくいと言う利点があるからです。また、お位牌にご夫婦の戒名を左右に並べて記すことも可能です。このようなお位牌を夫婦(めおと)位牌と呼びます。お仏壇の中に古いお位牌が沢山ある場合には、屋根付きのお位牌の中に戒名を記す数枚の木札が入っている繰出位牌(くりだしいはい)にまとめる方法もあります。お位牌のお手入れをするときには、ハタキで誇りを払い、乾いた布で軽く拭く。その際には、剥がれてしまいますので、金粉や金箔の部分には絶対に触れないように気をつけてください。
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